お客様に期待される“第三者の視点“

年商300億円 物流企業

客観的視点を持ち、全体を俯瞰してみること。そして同時に、現場に入り込み、担当者と一緒になって実行を支援することが大切です。

コンサルタント:萩下 元貴

当該クライアント企業では、受託しているアパレル物流業務の収益改善を当初は自社にて推進しておられました。しかし、「自社でできる改善はひと通りやりつくしたが、更なる改善を実施しなければ、繁忙期の収益悪化が回避できない」というご状況があり、船井総研ロジへご相談をいただきました。

多岐にわたるコンサルティングの現状把握


1)業務実態調査

業務実態調査では、各部署に物流の現状と要望、問題点をヒアリングすることで、全社視点でのロジスティクス検討の基礎情報としました。
<業務実態調査内容>
物流業務管理者ヒアリング(全体管理者) | 作業リーダーヒアリング(工程管理者)| 情報システム部門ヒアリング | 物流保有機器(マテハン)確認

2)現場実態調査

現場実態調査では、保管、入出荷作業、流通加工作業、物流情報システムを船井総研ロジの視点で総点検することでコストダウンの糸口を抽出しました。
<現場実態調査>
業務フロー調査・タイムフロー調査 | 動線調査 | 業務量及び人員配置(総工数)の調査 | 保管充填率調査 | レイアウト調査 | 5S調査 | 物流情報システムの運用調査

3)データ分析

業務実態調査・現場実態調査にて収集を行った情報を元に、各項目ごとの分析を行いました。
入荷実績の分析「出荷実績の分析「在庫実績の分析 | 作業工数分析「返品実績の分析

4)現状の課題、問題点の抽出

集めた情報・分析結果を元に、現場を客観的に見ること、全体を俯瞰してみることで効率向上の弊害となっていることを総点検しました。また、貨物が倉庫に到着してからお客様に届けられるまでの業務を見直すことで問題点を抽出しました。

5)改善策の検討

倉庫のパフォーマンスを向上するための保管方法と作業方法を検討しました。
さらに、現場収益力を上げる改善策を下記の視点で策定しました。
倉庫作業の改善策 | 倉庫保管の改善策 | 在庫視点の改善策 | 返品視点の改善策 | 物流情報システムの改善策 | 物流管理視点の改善策

6)改善実行のアクションプランの作成と改善実行

当該クライアント様の場合、改善項目は数十項目に及んだため、取り組みの効果と緊急性を考慮して取り組みの優先順位を決定していきました。現場担当者と実行と検証を繰り返し、導入をサポートしました。

現場に入り込み一緒になって取り組むことで、改善の進む土壌が醸成される


実際に倉庫を運営される現場の方々は、現在の業務になるまで様々な改善を繰り返されて、今に至っています。そこに絵にかいた改善策だけを持ってきても実行されるまでに時間を要することになります。
船井総研ロジの支援では支援の中で実際にテーブルの位置や、やり方を変えて現場改善を実践していきます。その中で現場の担当の方々と一緒になって改善策を微調整することで、現場の方々に改善の成功体験を得ていただくことでき、最終的には現場の改善に対する抵抗感もなくなり、その後の改善が進めやすくなります。

ロケーション変更によるピッキング効率向上

検品保管作業改善による効率向上

在庫量変更による保管スペースの圧縮

補充方法変更による補充効率の向上

作業進捗管理向上による人員調整精度向上

コンサルティングの結果

船井総研ロジの役割はプロジェクトを通してクライアント企業様の考え方、
ひいては在り方を変える一押しをするところにある


作業効率の向上と保管効率の向上はクライアントである3PL企業の収益向上という形で成果が現れました。しかし、それだけではありません。昨今の作業員不足は物流倉庫にとって大きなリスクです。特に属人的な現場では、繁忙時期に物量に対応するためにスポットで人材派遣を利用すると、『生産性は低下し、品質問題が発生』することになります。それは業務を受託する3PL企業にとってのリスクのみならず、業務を委託する荷主にとってもリスクなのです。
今回の取組みは荷主企業にとってもメリットのあるものになり、委託先の努力として評価されています。どういった形でも改善する現場が荷主にとって安心感を与えると言えます。
      萩下 元貴 / ロジスティクスコンサルティング部 チーフコンサルタント
入社以来、物流戦略策定・物流コンペ・新倉庫立上・現場改善を中心に活動。
注力テーマを『現場改善』に置き、業種業態に関係なく保管効率と作業効率の向上に取り組んでいる。

物流企業A社

【年商】300億円
【事業内容】
製造業、卸売業、小売業から商品の倉庫保管及び配送業務を受託している
その他の事例